2026年7月13日〜19日の世界の医療機器・MedTech関連ニュースでは、血管内治療、ENT、神経刺激、非侵襲腫瘍治療、低侵襲婦人科手術、手術ロボット、糖尿病デバイス、M&Aに関する動きが目立ちました。
新製品・承認関連では、Abbottの長尺Esprit BTK薬剤溶出スキャフォールド、Smith+Nephewの喉頭用COBLATIONワンド、Newronikaのadaptive DBS、HistoSonicsのEdisonヒストトリプシーシステム、Claria Medicalの子宮摘出術向け組織回収システムなどが注目されます。
M&Aでは、MedtronicがSPR Therapeuticsの買収を完了し、DePuy Synthesは脊椎インプラント企業Expanding Innovationsを買収しました。安全性関連では、MedtronicのHarmony肺動脈弁デリバリーシステム、ResMedの人工呼吸器、B. Braunの脊椎麻酔キットなどに関するFDA情報が更新されています。
主なニュース
1. Abbott、長尺Esprit BTK薬剤溶出スキャフォールドでFDA承認
Abbottは、慢性重症下肢虚血、CLTIを対象とするEsprit BTK薬剤溶出スキャフォールドについて、76mmの長尺モデルでFDA承認を取得しました。
Esprit BTKは、膝下血管病変に対する治療デバイスで、薬剤を放出した後、一定期間で体内に吸収されるスキャフォールドです。今回の長尺モデルにより、長い病変をより少ないデバイスで治療できる可能性があります。
出典: MassDevice - Abbott gets FDA nod for longer length Esprit BTK drug-eluting scaffold
2. Smith+Nephew、喉頭手術向け「LYNX COBLATION Laryngeal Wand」を上市
Smith+Nephewは、ENT外科向けの「LYNX COBLATION Laryngeal Wand」を商業上市しました。
同製品は、喉頭手術における切開、剥離、組織減量を支援する多目的ワンドです。低温でのCOBLATION技術により、気道火災リスクの低減や、詰まりにくい設計、長いワーキングレングスが特徴とされています。
出典: Smith+Nephew - LYNX COBLATION Laryngeal Wand
3. Newronika、adaptive DBSシステムでCEマーク取得
イタリアのNewronikaは、パーキンソン病向けのadaptive deep brain stimulation、aDBSシステム「αDBS」について、最新商用リリースでCEマークを取得しました。
今回のバージョンでは、同社のクラウド型神経データプラットフォームWebBioBankとの統合が含まれています。DBS領域では、固定刺激から、患者の神経活動に応じて刺激を調整するadaptive型への進化が進んでいます。
出典: Newronika - CE Mark for αDBS
4. HistoSonics、Edisonヒストトリプシーシステムで欧州CEマーク取得
HistoSonicsは、非侵襲的に肝腫瘍を破壊するEdison Histotripsy Systemについて、欧州CEマークを取得しました。これにより、欧州およびCEマークを認める市場での商業化が可能になります。
Edisonは、集束超音波を用いて組織を機械的に破壊するヒストトリプシー技術を用いるシステムです。HistoSonicsは、肝腫瘍治療施設を中心に段階的な欧州展開を進める方針です。
出典: HistoSonics - Edison Histotripsy System CE Mark
5. Claria Medical、子宮摘出術向け組織封じ込め・回収システムでFDA De Novo認可
Claria Medicalは、低侵襲子宮摘出術での組織抽出を支援するClaria Systemについて、FDAのDe Novo認可を取得しました。
同社によると、Claria Systemは、子宮摘出術における組織封じ込めと回収を一体化したシステムです。FDAのSafer Technologies Program、STePの対象として審査された製品でもあります。
出典: Claria Medical - FDA De Novo Authorization FDA - Claria System De Novo
6. Sentante、血管内治療ロボット向けデジタルインデフレーター「Inflante」を発表
Sentanteは、バルーン拡張手技に用いるデジタルインデフレーター「Inflante」を発表しました。
Inflanteは、手動式インデフレーターをデジタル制御に置き換え、圧力プロファイル、拡張タイミング、手技データを記録できるようにする製品です。同社は、血管内治療ロボットと組み合わせ、カテ室ワークフローのデジタル化を進める方針です。
出典: MassDevice - Sentante unveils digital indeflator for surgical robot
7. Imperative Care、脳卒中治療向け新型ガイドワイヤー「Ikon 24 Pro」を上市
Imperative Careは、急性虚血性脳卒中治療向けの新型神経血管ガイドワイヤー「Ikon 24 Pro」を上市しました。
同製品は、脳卒中手技での血管アクセスを改善することを目的に設計されています。神経血管領域では、血栓回収デバイスだけでなく、アクセスカテーテルやガイドワイヤーなど周辺デバイスの改良も進んでいます。
出典: MassDevice - Imperative Care launches new guidewire purpose-built for stroke
8. Abbott、Libre Duoを秋に国際展開へ
Abbottは、グルコースとケトンを同時に測定するデュアルセンサー「Libre Duo」について、秋に国際展開する計画を示しました。
糖尿病デバイスでは、CGM単体から、ケトン測定やインスリンポンプ、アプリ連携を含む包括的な管理システムへ競争軸が広がっています。Abbottは今後の償還面での進展にも期待を示しています。
出典: MassDevice - Abbott to launch Libre Duo dual sensor internationally in the fall
9. Surgerii Robotics、単孔式手術ロボット「SHURUI」を欧州で初設置
Surgerii Roboticsは、単孔式手術ロボット「SHURUI Single-Port Surgical System」を、スペイン・バルセロナのVall d'Hebron University Hospitalに欧州で初めて設置しました。
単孔式ロボットは、切開数を減らす低侵襲手術を支援する技術として注目されています。欧州の主要病院での導入は、同社の国際展開における重要なステップです。
出典: MassDevice - Surgerii Robotics first European installation
10. Medtronic、SPR Therapeuticsの買収を完了
Medtronicは、疼痛治療デバイス企業SPR Therapeuticsの買収を完了しました。SPRは、慢性痛・急性痛に対する低侵襲の末梢神経刺激、PNS治療を展開しています。
Medtronicは、既存のニューロモジュレーション事業を持っており、今回の買収により非オピオイド疼痛治療のポートフォリオを強化します。
出典: Medtronic - Acquisition of SPR Therapeutics Completed
11. DePuy Synthes、脊椎インプラント企業Expanding Innovationsを買収
Johnson & Johnson MedTech傘下のDePuy Synthesは、脊椎手術向け拡張型インプラント技術を持つExpanding Innovationsを買収しました。
Expanding Innovationsは、X-PAC expandable implant technologyを展開しており、DePuy Synthesは同技術をTriALTIS Spine SystemやVELYS Enabling Tech portfolio for Spineに組み込む方針です。
出典: Johnson & Johnson - DePuy Synthes Acquires Expanding Innovations
12. FDA、Medtronic Harmonyデリバリーシステムなどのリコール情報を更新
FDAは、MedtronicのHarmony肺動脈弁デリバリーシステムに関するリコール情報を掲載しました。対象は肺動脈弁を送達する一部のカテーテルデリバリーシステムで、弁本体は対象外とされています。
また、FDAは同週にResMedの人工呼吸器に関するEarly Alert、B. Braunの脊椎麻酔キット、Arrow Internationalのコンビニエンスキット、Abiomedの14Fr Low Profile Introducer Kitなどについても情報を更新しました。
出典: FDA - CDRH New: News and Updates FDA - Medical Device Recalls and Early Alerts
まとめ
2026年7月13日〜19日の医療機器・MedTechニュースでは、Abbottの長尺Esprit BTK、Smith+NephewのLYNX COBLATION、Newronikaのadaptive DBS、HistoSonicsのEdisonヒストトリプシーシステム、Claria Medicalの子宮摘出術向け組織回収システムなど、新製品・承認関連の動きが目立ちました。
また、Sentanteのデジタルインデフレーター、Imperative Careの脳卒中向けガイドワイヤー、AbbottのLibre Duo、Surgerii Roboticsの単孔式手術ロボット欧州初設置など、処置支援・ロボット・デジタル化・糖尿病管理の領域でも製品展開が進んでいます。
M&Aでは、MedtronicによるSPR Therapeutics買収完了、DePuy SynthesによるExpanding Innovations買収がありました。安全性関連では、MedtronicのHarmony肺動脈弁デリバリーシステム、ResMed人工呼吸器、B. BraunやArrowのキット製品、AbiomedイントロデューサーキットなどのFDA情報が更新されています。
今週は、血管内治療、神経刺激、非侵襲腫瘍治療、婦人科手術、ENT、糖尿病、医療ロボット、整形外科インプラントまで、幅広い領域で新製品・承認・事業再編の動きがあった週でした。