世界の医療機器ニュース:J&J手術ロボット、富士フイルムMRI、視覚再建BCIの新展開

2026年7月20日〜26日の医療機器ニュースでは、J&JのOttava手術ロボットFDA認可、富士フイルムのオープンMRI新モデル発売、視覚再建BCIの欧州上市、血圧ウェアラブル、インスリンポンプの償還拡大などが注目されました。

訂正(2026年10月18日):関連する事実・表現を一次資料および原文との照合に基づき修正しました。取引・製品の状況は記事の報道時点のものです。

世界の医療機器ニュース:J&J手術ロボット、富士フイルムMRI、視覚再建BCIの新展開

対象期間:2026年7月20日〜26日

2026年7月20日〜26日の世界の医療機器・MedTech関連ニュースでは、手術支援ロボット、画像診断装置、視覚再建デバイス、ウェアラブル血圧測定、糖尿病デバイス、血管内ロボットなどの領域で、新製品の承認・上市や資金調達が相次ぎました。

日本関連では、富士フイルムがAI技術を活用した画像再構成機能を搭載するオープンMRI新モデルを発売しました。また、厚生労働省の中医協では、医療機器および臨床検査の保険適用が議題に挙がっています。

主なニュース

1. Johnson & Johnson、手術支援ロボット「Ottava」でFDA De Novo認可

Johnson & Johnsonは、軟部組織手術向けロボット「Ottava Surgical Robotic System」について、FDAのDe Novo認可を取得しました。

Ottavaは、手術台にロボットアームを組み込んだ構造を採用しており、使用しないときはアームを手術台の下に収納できる点が特徴です。同社は、米国の一部医療機関から段階的に導入し、今後、対象手技や販売地域を拡大する方針です。

出典: MassDevice:Johnson & Johnson wins FDA nod for Ottava surgical robot Johnson & Johnson:OTTAVA Robotic Surgical System FDA Market Authorization

2. Momentis Surgical、Anovo手術ロボットのマルチポート構成でFDAクリアランス

Momentis Surgicalは、柔軟なロボットアームを備える「Anovo Surgical System」のマルチポート構成について、FDA 510(k)クリアランスを取得しました。

Anovoは、すでに経腔的手術と単孔式手術について認可を得ており、今回の追加により、経腔、単孔、マルチポートの3種類のアプローチに対応します。婦人科領域を中心に、低侵襲手術ロボットの選択肢が広がる動きです。

出典: MassDevice:FDA clears Momentis Surgical’s multiport surgical robot

3. 富士フイルム、AI技術を活用したオープンMRI新モデルを発売

富士フイルムは、永久磁石オープンMRIシステムの新モデル「APERTO Lucent ff」と「AIRIS Vento ff」を、2026年7月21日から発売しました。

新モデルは、AI技術を活用して開発した画像再構成技術により、低磁場MRIでもノイズ低減と高画質化を図るものです。0.4テスラの「APERTO Lucent ff」と0.3テスラの「AIRIS Vento ff」をラインアップし、撮像位置設定や画像処理など、MRI検査ワークフローを支援する機能も搭載しています。

日本市場における画像診断装置の新製品ニュースとして注目されます。

出典: 富士フイルム:永久磁石オープンMRIシステムの新モデル「APERTO Lucent ff」「AIRIS Vento ff」新発売

4. Science Corporation、視覚再建用BCI「Prima」を欧州で上市

Science Corporationは、網膜下インプラントを用いる視覚再建システム「Prima」を欧州で商業上市しました。

Primaは、眼鏡に搭載したカメラで取得した画像を網膜下インプラントへ送信し、地図状萎縮を伴う加齢黄斑変性患者の中心視野回復を支援するシステムです。フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、英国で段階的に展開されます。

出典: MassDevice:Science Corp. launches Prima vision-restoring BCI in Europe

5. Hilo、長期血圧測定用ウェアラブル「Hilo Core」を米国上市

Hiloは、手首に装着する血圧モニタリングシステム「Hilo Core」を米国で上市しました。

Hilo Coreは、光学センサーを搭載したバンド、スマートフォンアプリ、FDAクリアランス済みのカフ式血圧計で構成されます。カフによる定期的な校正を行いながら、1日30〜35回程度の血圧傾向を推定します。

血圧測定は従来、カフ式測定が中心でしたが、ウェアラブル化によって日常生活中の血圧変動を把握しやすくなる可能性があります。

出典: MassDevice:Hilo launches wearable blood pressure monitoring tech

6. Philips、再使用型SpO₂クリップセンサーでFDAクリアランス

Philipsは、次世代の再使用型SpO₂クリップセンサーについて、FDA 510(k)クリアランスを取得しました。

新製品は、酸素飽和度と脈拍数を継続的に測定し、成人および小児患者に使用するセンサーです。再使用型とすることで、使い捨てセンサーの廃棄物削減と運用コスト低減を狙います。

出典: MassDevice:Philips gets FDA nod for next-gen pulse oximetry clip sensor

7. 糖尿病デバイス:Medtrumが大容量パッチポンプ、MiniMedはMedicare対象化

Medtrumは、300単位のインスリンを充填できるチューブレス型パッチポンプ「TouchCare Nano」をドイツ市場へ導入すると発表しました。

また、MiniMedは「Flex Insulin Pump」が米国のMedicareおよびMedicare Advantage加入者にも提供可能になったと発表しました。FlexはSimplera Sync CGMと連携する自動インスリン投与システムです。

糖尿病領域では、CGM、ポンプ、アプリ、保険償還を含めたエコシステム競争が続いています。

出典: MassDevice:Medtrum to bring 300U tubeless insulin patch pump to Germany MassDevice:MiniMed says Flex insulin pump is now available through Medicare

8. Lungpacer、AeroPace横隔膜神経刺激システムで新CPTコード

Lungpacer Medicalは、人工呼吸器からの離脱を支援する「AeroPace System」について、新たなCPT Category IIIコードが付与されたと発表しました。

AeroPaceは、カテーテルを介して横隔神経を刺激し、人工呼吸管理中の横隔膜機能低下を抑えることを目的とするシステムです。3つのCPT Category IIIコードは2026年7月1日に発効しました。

出典: MassDevice:Lungpacer picks up reimbursement win for AeroPace

9. Magnendo、磁気式血管内ロボット開発で1,800万ドルを調達

MIT発のMagnendoは、血管内治療向け磁気ナビゲーション技術の開発を進めるため、シリーズAで1,800万ドルを調達しました。

Penumbraが今回の資金調達を主導しました。Magnendoは、磁気を利用して神経血管デバイスを遠隔操作するロボットプラットフォームの開発を進めています。

出典: MassDevice:Magnendo raises $18M Series A

10. MannKind、Furoscix自動注射器でFDA承認、5,000万ドルを調達

MannKindは、心不全患者向けのフロセミド皮下投与製品「Furoscix ReadyFlow Auto-Injector」についてFDA承認を取得しました。

同社は同時に、私募による5,000万ドルの資金調達も発表しています。Furoscixは、医療機関での静脈内投与に代わり、自宅でフロセミドを皮下投与できるようにする製品です。

出典: MassDevice:MannKind raises $50M, wins FDA nod for Furoscix auto-injector

11. 中医協、医療機器および臨床検査の保険適用を議題に

厚生労働省の中央社会保険医療協議会は、2026年7月22日の総会で「医療機器及び臨床検査の保険適用について」を議題に挙げました。

医療機器では、薬事承認後の保険適用や診療報酬上の位置づけが、市場導入に大きく影響します。国内の医療機器ニュースでは、新製品や承認だけでなく、中医協での保険適用関連情報も重要です。

出典: 厚生労働省:中央社会保険医療協議会 総会

12. FDA、Boston ScientificのEnRouteカテーテルを早期警戒対象に

FDAは、Boston Scientificの「EnRoute Neuroprotection System」および「EnRoute Neuroprotection System Plus」の一部ロットについて、早期警戒情報を公表しました。

動脈シース先端の完全または部分的な分離が報告されたため、同社は対象製品の使用中止と撤去を推奨しています。EnRouteは、頸動脈ステント治療時に血流を反転させ、脳への塞栓を防ぐためのシステムです。

FDAは同週、乳房生検針の供給不足、再処理された電気生理・超音波カテーテルの回収拡大、AbiomedとOscorのカテーテルイントロデューサーに関する早期警戒情報なども更新しました。

出典: FDA:CDRH New-News and Updates

まとめ

2026年7月20日〜26日の医療機器・MedTechニュースでは、Johnson & JohnsonのOttavaとMomentis SurgicalのAnovoが相次いでFDA認可を取得し、手術ロボット市場の競争が一段と活発になりました。

日本関連では、富士フイルムがAI技術を活用した画像再構成機能を備えるオープンMRI新モデルを発売しました。また、中医協では医療機器および臨床検査の保険適用が議題となり、国内市場における保険収載動向も確認されています。

海外では、視覚再建BCI「Prima」、ウェアラブル血圧測定システム「Hilo Core」、Philipsの再使用型SpO₂センサーなど、新製品の上市・承認が続きました。糖尿病領域では、Medtrumの大容量パッチポンプの欧州展開と、MiniMed FlexのMedicare対象化が発表されています。

資金調達では、Magnendoが磁気式血管内ロボットの開発に向けて1,800万ドルを調達しました。一方、安全性関連では、Boston ScientificのEnRouteカテーテルシステムについてFDAが早期警戒情報を公表しています。

今週は、手術ロボット、画像診断、視覚再建、ウェアラブル、糖尿病デバイス、償還、安全性情報まで、国内外で幅広い動きがあった週でした。

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