対象期間:2026年8月3日〜16日
今回は2週間分をまとめて、2026年8月3日〜16日に発表された世界の医療機器・MedTech関連ニュースを紹介します。
この期間は、米国でFDAの次期医療機器ユーザーフィー制度「MDUFA VI」の議論が本格化したほか、革新的医療機器のMedicare保険収載を迅速化する動きも注目されました。
M&AではInteger Holdings、Varex Imaging、VitalConnectなどを対象とした大型案件が続きました。一方、日本では8月5日の中医協で医療機器の保険適用が審議され、8月1日から新たに適用される医療機器についても厚生労働省から通知されています。
主なニュース
1. FDA、次期医療機器ユーザーフィー「MDUFA VI」の議論を本格化
FDAは8月5日、2028〜2032年度を対象とする次期Medical Device User Fee Amendments(MDUFA VI)について公開会議を開催しました。
MDUFA VIでは、審査期間、De Novo申請、Real World Evidence(RWE)、デジタルヘルス、国際調和、Total Product Life Cycle Advisory Program(TAP)など幅広いテーマが議論されています。
現在のMDUFA Vは2027年9月末に期限を迎えるため、今後の米国医療機器審査制度を左右する重要な制度改定となります。
2. 米国、Breakthrough DeviceのMedicare保険収載迅速化へ
米国CMSでは、FDAのBreakthrough Deviceを対象として、FDA審査とMedicareの保険収載プロセスをより連携させる新たな仕組みが検討されています。
FDA承認後の全国的なMedicare coverageまでの期間を短縮することが狙いで、革新的医療機器の市場アクセス改善につながる可能性があります。
医療機器では薬事承認だけでなく保険収載までの期間が市場導入の重要な要素となるため、今後の制度設計が注目されます。
3. KKR、Integer Holdingsを約57億ドルで買収
KKRは、医療機器の受託開発・製造を手掛けるInteger Holdingsを約57億ドルで買収することで合意しました。
Integerは心血管、ニューロモジュレーションなどの領域で医療機器や部品の開発・製造を行っています。
近年のMedTech M&Aでは完成品メーカーだけでなく、CDMOや重要部品を担うサプライチェーン企業への投資も拡大しています。
4. Teledyne、Varex Imagingを約11億ドルで買収へ
Teledyne Technologiesは、医療用X線技術を手掛けるVarex Imagingを約11億ドルで買収する契約を締結しました。
VarexはX線管やデジタルディテクターなどを提供しており、CT、一般X線撮影、マンモグラフィなど幅広い画像診断装置に技術が使用されています。
今回の買収により、Teledyneは医療画像分野での事業基盤をさらに拡大します。
出典: https://www.teledyne.com/en-us/news/Pages/teledyne-to-acquire-varex-imaging-corporation.aspx
5. iRhythm、VitalConnectを約2.88億ドルで買収
心電図モニタリング大手iRhythm Technologiesは、ウェアラブル患者モニタリング企業VitalConnectを約2億8,800万ドルで買収すると発表しました。
iRhythmは長期心電図モニタリングシステム「Zio」を展開しており、VitalConnectのウェアラブル技術を加えることで、病院外や在宅環境での患者モニタリング事業を拡大します。
遠隔患者モニタリングは引き続きMedTech企業の重要な投資領域となっています。
6. Medtronic、不整脈治療デバイスの欧州展開を拡大
Medtronicは、不整脈治療領域のアブレーション技術について欧州市場での展開を拡大しています。
心房細動だけでなく心室性不整脈への適応拡大も進んでおり、マッピングとアブレーションを組み合わせた治療プラットフォームの開発競争が続いています。
特にPFA(パルスフィールドアブレーション)を中心とした不整脈治療市場では、Medtronic、Boston Scientific、Johnson & Johnsonなど大手企業による競争が激しくなっています。
7. FDA、輸液・カテーテル・呼吸器関連製品の安全性情報を更新
FDAはこの2週間に、輸液セット、カテーテル関連製品、呼吸回路など複数の医療機器について回収・是正情報を更新しました。
対象にはBaxter、Hamilton Medical、Abiomedなどの製品が含まれています。
医療機器メーカーにとって、市販後安全管理と製造品質管理は引き続き重要なテーマとなっています。
出典: Abiomed/Oscor: https://www.fda.gov/medical-devices/medical-device-recalls-and-early-alerts/catheter-introducer-correction-abiomed-and-oscor-issue-correction-catheter-introducer
Baxter Duo-Vent: https://www.fda.gov/medical-devices/medical-device-recalls-and-early-alerts/intravascular-administration-set-recall-baxter-removes-duo-vent-solution-sets
8. 日本:8月1日から新たな医療機器の保険適用
厚生労働省は7月31日付で、2026年8月1日から新たに適用される医療機器の保険適用について通知しました。
また、8月5日に開催された中央社会保険医療協議会(中医協)総会でも「医療機器の保険適用について」が議題となりました。
2026年度診療報酬改定後も、新規医療機器の保険適用が順次進められています。
出典: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75269.html
https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tokaihokuriku/iryo_hoken/iryokiki/index.html
9. 日本:PMDA、外国製造業者情報などを更新
PMDAは8月6日、外国製造業者の認定・登録番号に関する情報を更新しました。
このほか、8月上旬から中旬にかけて審査、安全対策、レギュラトリーサイエンス関連情報など複数の更新が行われています。
海外メーカーが日本市場へ医療機器を導入する際には、外国製造業者登録を含む国内薬事手続きへの対応が必要となります。
出典: https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/foreign-mfr/0003.html
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まとめ
2026年8月3日〜16日のMedTech業界では、米国の規制・保険制度と大型M&Aが大きなテーマとなりました。
FDAでは次期MDUFA VIの議論が本格化し、RWE、デジタルヘルス、国際調和などを含めた2028年度以降の審査体制が検討されています。また、Breakthrough DeviceのMedicare保険収載を迅速化する動きも進んでいます。
M&AではKKRによるInteger Holdingsの約57億ドル買収を筆頭に、TeledyneによるVarex Imaging、iRhythmによるVitalConnectの買収など大型案件が続きました。
安全性面ではFDAが輸液、カテーテル、呼吸器関連製品などの回収・是正情報を更新しています。
日本では、8月1日から新たな医療機器の保険適用が開始され、8月5日の中医協でも医療機器の保険適用が審議されました。PMDAでも外国製造業者情報などが更新されており、国内の薬事・保険関連でも複数の動きが確認された2週間となりました。