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世界の医療機器ニュース|FDA生物学的安全性・PMDA外国製造業者・BCI大型投資(2026年9月21日〜27日)

FDAのISO 10993-18抽出評価、PMDA外国製造業者リスト、米国検査償還、TriNav承認、BCI大型資金調達など9月21〜27日の主要MedTechニュースを解説。

2026年9月21日〜27日の医療機器・MedTech業界では、生物学的安全性評価の実務、海外メーカーの日本参入、診断分野の償還、次世代デバイスへの大型投資が主なテーマとなりました。

FDAはISO 10993-18に基づく化学的特性評価の「抽出」をテーマに業界向けTown Hallを実施。日本ではPMDAが外国製造業者の認定・登録リストを更新しました。製品面では肝動脈塞栓術向けデリバリーシステムや3Dプリント人工膝関節がFDAクリアランスを取得し、BCI分野では2.5億ドルの大型資金調達も発表されています。


1. FDA、ISO 10993-18の化学的特性評価「抽出条件」を重点解説

公表・実施日:2026年9月23日

FDAは医療機器業界向けTown Hallを開催し、生物学的安全性評価におけるChemical Characterization Testing(化学的特性評価)と抽出試験を取り上げました。今回の中心テーマはISO 10993-18に基づく抽出方法で、FDAは一般的な問題点や具体例を提示しています。

FDAは、人体に直接または間接的に接触する医療機器について、ISO 10993-1に沿ったリスクベースの評価を基本とし、生物学的安全性について業界・審査側の双方にとって「least burdensome」となる評価を目指すと説明しています。今回のTown Hall自体が新しい義務やガイダンスを制定したものではありませんが、化学分析によって不要な生物学的試験を回避できるかを検討する際、抽出条件の妥当性が重要な審査ポイントになることを改めて示した内容です。

材料変更、添加剤変更、製造工程変更などを伴う医療機器では、単にISO 10993試験を一式実施するのではなく、既存情報、化学的特性評価、毒性学的リスク評価を組み合わせて試験要否を説明するアプローチが引き続き重要になります。

公式情報

https://www.fda.gov/medical-devices/medical-devices-news-and-events/town-hall-biocompatibility-and-chemical-characterization-testing-extractions-09232026


2. PMDA、外国製造業者の認定・登録番号リストを更新

掲載日:2026年9月24日

PMDAは、薬機法に基づき認定または登録されている外国製造業者の一覧を更新しました。今回公開されたリストは2026年9月16日現在の情報で、医療機器については薬機法第23条の2の4に基づく外国製造業者登録が含まれます。

PMDAは、この公表リストが作成日時点で処理を終了した認定・登録・更新等を反映したものであり、外国製造業者登録や製造販売承認申請を行う際には、日本へ輸入する製造販売業者等が外国メーカーに直接、最新の認定・登録状況を確認するよう求めています。

制度変更ではありませんが、日本参入を予定する海外メーカーにとっては実務上重要です。承認・認証申請の準備段階で、製造所ごとの登録番号、登録状態、製造工程との対応を早めに確認しておく必要があります。

公式情報

https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/foreign-mfr/0003.html


3. 米CMS、2027年臨床検査のMedicare支払額案を公表――平均約16%低下

公表日:2026年9月21日

米国Centers for Medicare & Medicaid Services(CMS)は、2027年のClinical Laboratory Fee Schedule(CLFS)に使用する臨床検査の暫定支払額を公表しました。2026年に報告された民間保険の支払データを基に算出したもので、対象コードの加重中央値は2026年CLFSと比較して平均約16%低い水準となっています。

民間保険データから加重中央値を算出できた1,528コードのうち、1,171コードは2026年より低い水準となりました。分野別ではMolecular Pathologyが約22%、Genomic Sequencingが約23%、Microbiologyが約19.3%低い試算です。ただし法律上、2027〜2029年は1年間の減額幅が最大15%に制限されるため、低下は段階的に反映されます。最終額は2026年11月に公表され、2027年1月1日から適用される予定です。

IVDや分子診断では、承認取得だけでなく検査コードと償還額が市場性を大きく左右します。米国市場を検討する検査メーカーにとって、今回の改定は既存検査だけでなく、新規検査の価格設定や事業計画にも影響し得る動きです。

公式情報

https://www.cms.gov/newsroom/fact-sheets/preliminary-calendar-year-cy-2027-medicare-clinical-laboratory-fee-schedule-payment-rates


4. TriSalus、肝臓向け薬剤送達システム「TriNav Advance」がFDA 510(k)クリアランス

公表日:2026年9月22日

TriSalus Life Sciencesは、Pressure-Enabled Drug Delivery(PEDD)技術を用いたTriNav AdvanceについてFDA 510(k)クリアランスを取得したと発表しました。対応するマイクロカテーテルを組み合わせることで、より細い末梢血管へのアクセスを可能にしながら、PEDDによる薬剤送達を行う設計です。

従来のTriNavシリーズが対象としてきた肝臓への局所治療に加え、TriNav Advanceの適応は肝臓以外を含むより広範な塞栓術にも対応します。同社は今後数週間で限定的な市場導入を開始する予定です。

肝腫瘍治療では、薬剤や塞栓物質そのものだけでなく、どの血管へ、どのような圧力・流れで選択的に送達するかがデバイスの差別化領域になっています。肝胆膵領域に隣接するIVR製品としても注目される技術です。

公式情報

https://investors.trisaluslifesci.com/news-releases/news-release-details/trisalus-life-sciences-receives-fda-clearance-trinavr-advance


5. Smith+Nephew、3Dプリント人工膝関節「LANDMARK Knee」がFDAクリアランス

公表日:2026年9月22日

Smith+Nephewは、次世代人工膝関節システムLANDMARK Total Knee SystemについてFDA 510(k)クリアランスを取得し、最初の手術症例も実施したと発表しました。健康な膝の解剖学的形状と自然な動きを再現することを目標に設計されています。

特徴の一つは、CONCELOC技術を用いた完全3Dプリントの大腿骨コンポーネントです。また同社のCORI KNEE Handheld Robotics Arthroplastyと組み合わせることを前提に設計されており、インプラントとロボット支援手術を一体化した製品戦略が明確になっています。2027年にかけて段階的に市場展開を拡大する予定です。

手術ロボット市場では、ロボット本体だけでなく、専用インプラント、手術器具、術前計画、ナビゲーションを含むエコシステム全体で競争する傾向がさらに強まっています。

公式情報

https://prod-we-cd.smith-nephew.com/en/news/2026/09/22/fda-510k-clearance-and-first-surgical-case-of-landmark-total-knee-system


6. GE HealthCareとMass General Brigham、放射線治療に生成AIを活用する共同研究

公表日:2026年9月23日

GE HealthCareはMass General Brighamとの研究協力を拡大し、放射線治療に生成AIを活用する研究を開始すると発表しました。臨床記録、画像、治療計画など、複数システムに分散する構造化・非構造化データを生成AIで統合し、医療従事者が自然言語で必要な情報を取得できる仕組みを検討します。

研究成果は将来、GE HealthCareの放射線治療ワークフロー管理ソフトウェアIntelligent Radiation Therapy(iRT)への機能追加につながる可能性があります。既存の共同研究では、分断されたワークフローを連携する技術によって、患者受付から治療開始まで最大30日かかっていたケースを8日まで短縮したと報告されています。

今回発表された生成AI機能は研究段階であり、新たに承認・認証された医療機器ではありません。一方で、生成AIの医療利用が診断支援だけでなく、複数の診療情報を統合して治療プロセスそのものを支援する方向へ広がっていることを示しています。

公式情報

https://www.gehealthcare.com/en/about/newsroom/press-releases/ge-healthcare-expands-research-collaboration-to-explore-using-generative-ai-for-more-personalized-radiation-therapy


7. Anaconda Biomed、脳血栓回収デバイス開発で5,600万ドルを調達

公表日:2026年9月23日

スペインのAnaconda Biomedは、5,600万ドルの資金調達を完了したと発表しました。Omega Fundsがリードし、調達資金は脳血栓回収用ANA Funnel Catheterの米国ピボタルIDE試験「ATHENA」の完了、製品開発、各国での薬事承認取得に使用されます。

ATHENAは327例を予定する前向き無作為化試験です。ANA Funnel Catheterは米国では治験機器ですが、同技術を使用するANA5 Funnel CatheterはCE Markを取得しています。同社は機械的血栓回収、aspiration-first治療、頸動脈治療へ製品群を拡大しています。

MedTechの資金調達では、単なる研究開発資金ではなく、IDEピボタル試験→FDA申請→グローバル展開までを一体で資金調達する案件が引き続き目立ちます。

一次情報

https://www.globenewswire.com/news-release/2026/09/23/3367108/0/en/anaconda-biomed-secures-56-million-financing-from-new-and-existing-investors.html


8. Precision Neuroscience、BCI開発で2.5億ドルのSeries Dを調達

公表日:2026年9月24日

Brain-Computer Interface(BCI)を開発するPrecision Neuroscienceは、2.5億ドルのSeries Dを完了しました。今回を含む累計調達額は4.3億ドルとなり、同社はこれまで18の医療機関で100例を超える患者手技を実施したとしています。

資金は臨床プログラムの拡大、Layer 7 Cortical Interfaceの次段階のFDA審査、商業化に向けたインフラ整備に使用されます。同社はLayer 7についてFDAクリアランス取得実績を公表していますが、会社サイトではBCI自体について、米国では依然として治験段階で販売されていないと明記しています。

BCIはAIと医療機器が直接接続する次世代領域の一つであり、今回の規模の資金調達は、技術開発だけでなく臨床、規制、製造、販売体制を同時に構築するフェーズに入りつつあることを示しています。

一次情報

https://www.globenewswire.com/news-release/2026/09/24/3368254/0/en/precision-neuroscience-closes-oversubscribed-250m-series-d-led-by-pershing-square-inc-the-ackman-oxman-institute-and-a-leading-life-sciences-investment-fund.html


9. 安全情報:Boston Scientific「Imager II」血管造影カテーテルをClass I Recallに分類

FDA更新日:2026年9月25日

FDAはBoston ScientificのImager II Angiographic Catheterの回収について、Class I Recallに分類したことを公表しました。製造上の問題によりカテーテル先端部の安定剤が規格より少なくなっており、先端部が劣化・脱落する可能性があります。

血管内で先端が脱落した場合、手技の中断・デバイス交換に加え、まれながら破片による血流閉塞から重篤な塞栓症につながる可能性があります。2026年7月16日時点で2件の重篤な健康被害が報告され、死亡報告はありません。Boston Scientificは対象製品の使用・流通停止と返却を求めており、同製品の販売終了も決定しています。

今週の安全情報はこの1件に限定しました。規格外の材料・製造状態が、市販後にデバイス破損リスクへつながった事例として、設計管理や製造変更管理の観点からも参考になります。

公式情報

https://www.fda.gov/medical-devices/medical-device-recalls-and-early-alerts/angiographic-catheter-recall-boston-scientific-removes-imager-ii-angiographic-catheters


まとめ

今週は、医療機器の材料評価・薬事・償還・資金調達を製品ライフサイクル全体で考える必要性がよく表れた1週間でした。

FDAの生物学的安全性Town Hallでは化学的特性評価と抽出条件が改めて焦点となり、日本ではPMDAが外国製造業者リストを更新しました。一方、米国では臨床検査の2027年Medicare支払額が大幅に見直される可能性が示され、承認後の市場アクセスの重要性も浮き彫りになっています。

製品面では、肝臓への選択的薬剤送達、3Dプリントと手術ロボット、生成AI、脳血管治療、BCIなど、MedTechの成長領域への開発・投資が引き続き活発です。

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