TIMELINE / COST

医療機器の承認までにかかる期間と費用

医療機器の製造販売承認までの期間は、申請区分と必要資料の整備状況により異なります。PMDAが承認審査を行い、厚生労働大臣が承認します。公表される総審査期間の目標は申請から承認までを対象とし、申請前の試験・資料作成や承認後の販売準備まで含む期間ではありません。費用は、公的な審査・相談・QMS調査手数料と、試験・臨床評価・翻訳・資料作成・照会対応の費用を分けて見積もります。

申請準備から販売開始までの期間・費用

PMDAの総審査期間だけでなく、申請方針の確認、試験・資料作成、PMDA相談、QMS適合性調査、承認後の法定表示・出荷準備などに必要な期間も含めて検討します。

費用は、公的手数料に加えて、追加試験、臨床評価、翻訳、申請資料作成、照会対応、QMS準備を含めて見積もります。

審査と承認の役割は、PMDA「医療機器製造販売と医療機器クラス分類の関係は?」の説明を参照してください。

PMDAの2026年度計画における総審査期間の目標

新医療機器(通常品目)

14か月(80%タイル値)

新医療機器(優先審査品目)

10か月(達成を目指す目標)

改良医療機器(臨床あり)

10か月(60%タイル値)

改良医療機器(臨床なし)

6か月(60%タイル値)

後発医療機器

4か月(60%タイル値)

出典:PMDA令和8年度計画 3(2)医療機器審査関係 ア・イ(本文12–13ページ)。総審査期間は申請から承認までの期間で、個別品目の承認期限を保証するものではありません。80%・60%タイル値は、それぞれ対象品目の80%・60%が収まる期間の指標です。通常品目、改良(臨床あり)、改良(臨床なし)、後発の集計は、申請者側の資料整備期間がそれぞれ14・10・6・4か月以上の品目を除きます。優先品目の10か月目標には、この計画でタイル値は示されていません。

販売開始までの計画では、申請前の試験・資料作成やPMDA相談、申請後の審査・照会対応、QMS適合性調査、販売開始に向けた準備を区別します。並行して進める作業もあるため、各期間を単純に足し合わせず、全体の工程を検討します。

申請方針の確認から販売準備までの6段階

申請方針の確認

一般的名称、クラス分類、認証基準、申請区分、比較対象を確認します。方針が固まる前に試験を始めると、追加試験や資料改訂が必要になることがあります。

試験・申請資料の準備

性能・安全性試験、臨床評価、STED、基本要件、リスクマネジメント、表示を準備します。既存資料の使用範囲により期間が大きく変わります。

PMDA相談

相談で確認する論点と資料を準備し、相談区分に応じた手続きを行います。相談後の見解を試験計画や申請資料に反映します。

承認審査・照会対応

PMDAの照会に回答し、必要に応じて申請資料の改訂や追加説明を行います。回答作成に必要な社内確認と海外メーカーとの連携も日程に含めます。

QMS適合性調査

対象製造所、製品群、基準適合証の有無を確認し、承認審査と並行して調査へ対応します。

承認後の販売準備

表示・添付文書、出荷判定、保険適用、市販後安全管理を確認します。承認日と販売開始日は同じとは限りません。

申請に必要となる主な6つの費用

PMDAの審査等手数料

申請区分と品目に応じた承認審査の手数料です。金額は改定されるため、申請時点のPMDA手数料表を確認します。

PMDA相談の手数料

相談区分ごとに手数料が設定されています。相談回数ではなく、確認したい論点と必要な相談区分から見積もります。

QMS適合性調査の手数料

調査区分、製造所、製品群、基準適合証の状況などにより必要な手続きと費用が異なります。

試験・評価費用

性能、生物学的安全性、電気的安全性、EMC、ソフトウェア、滅菌、包装、安定性、臨床評価など、製品特性に応じて必要となります。

申請資料の作成費用

申請書、STED、基本要件、臨床評価、翻訳、文書間の照合に必要な作業を見込みます。

照会・追加対応の費用

照会回答、追加解析、資料改訂、追加試験、海外メーカーとの調整に必要な工数を見込みます。

臨床評価の作業を見積もる前に、CER作成ガイドを参考に評価範囲と既存の根拠資料を確認します。

申請期間や費用に影響する5つのポイント

申請区分が定まっていない

比較対象と必要資料の範囲が変わるため、試験計画と見積もりを確定できません。

申請予定品と試験検体が異なる

モデル、材料、工程、滅菌条件などの差分を説明できない場合、追加評価が必要になります。

資料間に不一致がある

申請書、STED、試験報告書、臨床評価、表示の修正と再照合に時間を要します。

海外からの回答が遅れる

照会回答に必要な設計・製造・臨床情報を期限内に入手できないと、審査対応が止まります。

QMS準備を後から始める

対象製造所や必要文書の確認が遅れると、承認審査が進んでも販売開始時期を確定できません。

QMS対応を早期に計画するため、QMS適合性調査の準備ガイドを参考に、製品と調査区分に応じた対象製造所・必要文書を確認します。

期間・費用の確認方法

  1. 01

    申請区分を確認する

    新・改良・後発、臨床試験成績の有無、比較対象を確認します。

  2. 02

    既存資料を棚卸しする

    海外申請資料、試験報告書、臨床資料、QMS文書の版と申請予定品への適用範囲を確認します。

  3. 03

    不足する試験と資料を見積もる

    追加試験、翻訳、日本固有の申請資料、表示文案に必要な期間と費用を確認します。

  4. 04

    相談・審査・QMSの日程を組む

    PMDA相談、申請、照会回答、QMS適合性調査の順序と所要期間を工程表にまとめます。

  5. 05

    変更と追加対応の余地を確保する

    設計変更、試験の追加、照会回答、資料改訂が発生した場合の時間と費用を見込みます。

既存資料の利用範囲と追加評価を整理した実務例として、膵管用ステントの承認取得支援事例を紹介しています。工程を検討する際の参考であり、同じ期間・費用を保証するものではありません。

医療機器の承認期間・費用に関する質問

承認申請から承認までの期間は決まっていますか?+

一律ではありません。申請区分、資料の完成度、照会事項の内容と回答速度、追加試験、QMS適合性調査などにより変わります。

PMDAの手数料だけで申請費用を見積もれますか?+

公的手数料のほかに、試験、臨床評価、翻訳、申請資料作成、QMS準備、照会対応などの費用を見込む必要があります。

PMDA相談を行うと申請期間は短くなりますか?+

相談を行うだけで審査期間が短くなるとは限りません。ただし、申請区分、試験方針、臨床評価などの重要な論点を申請前に確認できれば、申請後の大きな手戻りを避けやすくなります。

海外で承認済みなら試験費用を抑えられますか?+

既存試験を使用できる場合はありますが、申請予定品との同等性、規格の版、検体、試験条件、日本の要求事項を確認して判断します。

見積もりはどの段階で作れますか?+

使用目的、構造・原理、モデル構成、海外での承認状況、既存の試験・臨床資料が分かれば、追加で確認すべき項目と想定される費用区分を整理できます。

申請資料の作成や照会対応、QMSとの調整を依頼する場合は、承認・認証・製造販売届出支援の対応範囲をご確認ください。

期間・費用のご相談

製品情報、申請区分、海外試験、臨床資料、QMS文書を確認し、必要な作業と工程を検討します。

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